FOREST and Civilization



思えば、人類が文明と称するものを手に入れたときから、森の精霊達との闘いが始まったようです。
人類は森の恵みを一方的に略奪し次々に森林を消していってしまいました。そして荒涼という名の悪魔を
呼びこんでしまったようです。悪魔は今度は次々と文明を消していきました。
いま、森の精霊達と手を結ばなければ、人類の文明は荒涼に飲み込まれるかもしれません。



     原始の森が・・・

原始の森・原生林

朽ちた倒木は土に還へり、その上でまた、若木が育つ。
森の動物達が樹木の種子を蒔き、微生物が落葉を分解し
腐葉土を作っていく。落ち葉の下を流れる水は海に至り、
海草の根付けをも助ける。

何千年何万年と続いてきた、原始の森の営み。
人間が森に手を出すまでは・・・・

人々も、大樹に対する尊敬の念、森に対する
畏敬の念を抱いていました。ここには、精霊が
棲む、うかつに手を出すな、と・・・

しかし、文明の発展とともに、森に開発の手が
伸びます。精霊達は、静かに去っていきます。
精霊のいない森は畏敬の感じはありません。
徐々に森は崩壊します。








     精霊達が去るとき・・・

古代、メソポタミアやギリシャで多くの文明の興亡がありました。
今は森林が剥ぎ取られ石灰質の岩肌が剥き出しとなっています。
文明発展とともに人口が増え、農地拡大・建築材料・燃料にと
森が伐採されていきます。
その結果が、乾燥化と表土流出です。

乾燥化によって、畑作の為の降水量が減少し、
さらに、塩害まで発生しました。

表土流出により、肥えた土は剥ぎ取られ、小麦栽培はできなくなりました。

さらに流れ出た土は港を埋め、人々は埋没した港の先に、
また港を築きました。

これが、ギリシャ文明の都市「ミレトス」や「エフェソス」なのです。

それらの文明は森を伐採しすぎた為、やがて衰え
人々は彼の地を去っていきました。
その為、幸運な事に森が自然回復し、やがてアテネの大文明が
発展していきます。

本当に幸運でした。
完全に表土が剥ぎ取られる前でしたから・・・。
失われた表土は二度と戻らないのですから・・・








     そして精霊達はいなくなった・・・

函南の不伐の碑です。

日本では、古くからその時々の天下人の禁伐令や、
信仰の対象として多くの森が守られてきました。
稲作の水源として必要だと知識人は考えたようです。 
今でも、先進工業国の中で、群を抜いて森林率が
高いのは、誇らしい事なのです。



さて、キリスト教文明が開花したヨーロッパ大陸
は、深い深い森に覆い尽くされていました。

文明が開花すれば、また人口が増える。人々は、教会を中心として
開拓村を築き、周りの森を伐採し畑を広げていきました。
しかし皆、周りの、狼や妖精に守られた森には畏怖の念を
感じていました。   「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」等の
童話を思い出せば、それは、判ります。

そして・・・

その開拓村は、今では、パリ、ベルリン等と呼ばれています。